金曜日、目白の住宅街を久々にとことん迷った。
あのあたりは、歩いていると方向がわからなくなる
下北沢と並ぶ街だ。

特に西武池袋線が曲がっているのか
踏切を渡ったと思うと、またあらわれて、
きつねにばかされている感を味わえる。

最近あまりなかった「完全に方向感覚を失う時間」を堪能し
しばし佇んだ。
いやあ、ここまでの迷子は久しくなかったなあなどと
誰もいない住宅街で感慨にふけって、ひとりにやにやして
満足であった。

あの辺で迷うと出てくる大きなお屋敷とか
変な工場とかではなく、今回初めてお目にかかる
建物が続々現れるので、ぞくぞくした。

方向音痴冥利に尽きるとでもいうのか。
耳をそばだて、車の音を聞き、
電柱の看板にヒントを得て、どうにか目白通りに出た。
そんなに暇ではないので、どこかで抜け出さねばならないのが
寂しいところだ。

さて、その翌日。
新大久保の店を出たとき
ふと思い立って
「こっちから行くと西武新宿だから
あたしは、じゃ、こっちに!」
と、ずんずん歩いていると
ちょっと予想に反した雰囲気の道に出た。

あれ? と思いながらも
確実にこっちの方だと信じてずんずん歩いていると
見覚えのある建物・・・。
あ! 長年通った懐かしの「スポーツ会館」だ!
何故ここに?

ではなく、つーことは・・・そうか!
その前にいた場所と勘違いしていた。
と、戻って、さっき別れた人たちと合わないように
こそこそと道を急いだ。

夜、思いがけない見知らぬ道に出たときの
まるで別の世界に来てしまったような
ぽかんとするあの感じが好きなんだなあと思った。
いや、負け惜しみではなく。

まよいみちこさん (にじいろえほん)まよいみちこさん (にじいろえほん)
(2013/10/24)
もとした いづみ・作
田中六大・絵

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意外にたくさんいる方向音痴の方々の
共感を呼んでおります。
絵本としてではなく。
「まったくあの通りですよねえ」って。

京都での絵本原画展が5月に予定されています。
近くなったら詳細をば。

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プロフィール

もとしたいづみ

Author:もとしたいづみ
絵本・童話作家やってます。
エッセイ集『レモンパイはメレンゲの彼方へ』(集英社)
幼年童話『うめちゃんとたらこちゃん』絵・田中六大(講談社)
絵本『せつぶんセブン』絵・ふくだいわお(世界文化社)など

ツイッターは
もとしたいづみ
(@motoshita123)

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