おはぎ

初めて入ったとんかつやさん。
やっぱ混んでる。いっぱいだ。
と出ようとすると、
大丈夫、入れるから! と手招きされて
「荷物をどければ大丈夫。すみませんね」

カウンターは全員知り合いのようだ。
しかも誰かの誕生日らしいと
奥のテーブル席で、スマホを手放さない二女を前に思っていると
ハッピバースデートゥーユー!
とオペラっぽい歌が始まった。
高齢の女性の声だ。
「すみませんね!」と言いに来た男性に
「いいえ」と言う。
店の女将が「私の誕生日なの。今歌ったのは
音大の先生なのよ」と説明に来る。
「ごはんのおかわりは?」
とか
「お茶ある?」
とたびたびやってきて
「これ、どうぞ!」
と、ごまのおはぎを持ってきてくれた。
「とてもおいしいの!
私、今、3個食べちゃった。塩気があって
あんまり甘くなくて」

これは挨拶しなくてはと、カウンター席の人たちに
お礼を言いに行く。
「ちょうどいいところに来たんですよ」
というので
「では、ご相伴にあずかります」
と戻って、ごはんを食べたあとで
もっちりとボリュームのあるおはぎをいただいた。
なるほど、香りのいい胡麻の甘みと塩加減がちょうどよく
もち米も香りがいい。
中にあんこはないので「もうひとつ」という気持ちがよくわかる。
「ね、おいしいでしょ?」

とんかつ定食とデザートにおはぎ。
おいしゅうございました。
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煙霧前の桜。

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プロフィール

もとしたいづみ

Author:もとしたいづみ
絵本・童話作家やってます。
エッセイ集『レモンパイはメレンゲの彼方へ』(集英社)
幼年童話『うめちゃんとたらこちゃん』絵・田中六大(講談社)
絵本『せつぶんセブン』絵・ふくだいわお(世界文化社)など

ツイッターは
もとしたいづみ
(@motoshita123)

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