じゃがいも精神

絵本作家のお二人と食事。

ひとりは会ったのが二度目。
ひとりは会ったのが三度目。
もちろん食事をするのは初めて。

でも随分前から予約してもらった
神楽坂の静かな有名店で、
前から親しい友人のように大いに盛り上がり
出てくる料理を味わったには味わったが
もうそんなもなあ飛んでしまうほど
わあわあぎゃあぎゃあゲラゲラ騒いで
デザートはかろうじて撮影したのだが
儚く消えてしまったので
何も残っていない。

でもお土産にいただいた大きなかぼちゃと、じゃがいもはまだある。

大きな荷物を下げて入ってきたひとりが
「北海道から野菜を送ってもらったので・・・」
と言い出すので、
「え。もしやじゃがいも? 私も北海道から送ってもらった
じゃがいも持って来た」

でも、彼女は重くて大きなかぼちゃと、そしてじゃがいもを
どどーん! と惜しげもなく。
私は、小さな紙袋にじゃがいもを詰めた。
入れたり出したり、紙袋を代えたりして、
こじんまりした包みにしたのだ。

しばらく話していて、彼女の「やるからには精一杯!」な精神と
私の、「なんでも、まあ、そこそこに」な精神の差を感じた。

もうひとりの、じゃがいも持って来なかった人は
超然と自分の世界を描いている作家なので
全てがじゃがいもに表れているといえよう。いえるのか?

お店の名前は
エノテカ フルッテリア スタジオーネ フルッティフィカーレ。
じゃがいもを持って来なかった(ひどい言いようだ)人は
道に迷い、花屋さんに尋ねると
「ああ、この店はつぶれましたよ」
と言われたそうだ。

お花屋さん、まだありましたよ。

 

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プロフィール

もとしたいづみ

Author:もとしたいづみ
絵本・童話作家やってます。
エッセイ集『レモンパイはメレンゲの彼方へ』(集英社)
幼年童話『うめちゃんとたらこちゃん』絵・田中六大(講談社)
絵本『せつぶんセブン』絵・ふくだいわお(世界文化社)など

ツイッターは
もとしたいづみ
(@motoshita123)

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