こけし屋とウレシカの動と静

西荻窪付近の同窓会といえば
こけし屋だ。
いや、違うかもしれないけど
こけし屋に入ろうとすると、必ず
入り口に〇〇中学34期同窓会などと書いてある。

で、こけし屋での同窓会に出席した。
この辺の中学校を・・・私は卒業したのではなく
入学しかしていない。
だから卒業アルバムにも出ていないし
卒業生名簿にも名前がない。
でもまあ、この年になればなんだっていいのである。

13歳で転校したから、43年ぶりに会った人もいて
隣に座った、私の記憶というか当時の写真とは
全くの別人に、名札と見比べながら
「え! 違う人! 全然別人!」
と、いきなり驚きをあらわにすると、
「え、そう?」
と、笑っている。
私のことは微塵も思い出せないらしいから
知らない人に「別人」だと言われても
困るだろうとは思う。

前のスクリーンに昔の自分の写真が写ったら
前に出て行って挨拶する。
その変わり果てた人は、自分だと気づかず
出て行く気配がない。
幹事が叫んだ! 出て来いよ! おまえだよ!
「え! ほんと? ここに写っているのは違う人です。別人!」
そう言ってから
「この写真の頃の自分を知っている人が
今の自分を見て、別人だと言うのもうなずけました」

そうだろそうだろと私は頷いた。

中央のテーブルに軽食が出て、立食と見せかけて
席がちゃんとある。それはみんな座りたいから。
そんな年齢だ。「座れないのはやーよねえ」

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飲めない私はこういうときウーロン茶か
オレンジジュースの人となります。

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後半になって、いささか疲れてきた私たちは
挨拶長いよなあと言いながら、大人しく座っていたのだけど
ケーキが登場すると「こけし屋のケーキだ!」と誰かが叫び
(そりゃ、こけし屋だから当然なのだけど)
わあ~~っとケーキに殺到した。

懐かしい、昔からあるケーキばかりだ。
お年寄りの同窓会では、たぶんこれは定番なのだろう。

だって、当時はケーキなんでものはどこでも売っているわけではない。
フランス料理屋の「こけし屋」でケーキを買ってもらうなんて
特別なことだったのだ。

ぱっと見て全員分ないと判断したHが
「女子だけ! 女子だーけー」
と宣言したが、悔しそうに去っていく男子と、
女子に取ってあげるとみせかけて
こっそり持って行く男子がいて、
みんな中学生か!

そう。中学生だったのだよねえ。
そんな狂乱の同窓会がお開きになり、
閉店間際のウレシカに行った。

心が静まる展示だ。

ウレシカ
〒167-0042 東京都杉並区西荻北2-27-9
2016年 10月20日(木)~11月7日(月)
*火曜・水曜休み open:12時~20時

動物、植物、微生物、鉱物、細胞、線、粒、集合体、色彩、フラクタル…
自然が創り出す形を7名の作家がそれぞれの視点で捉え、再構築します。

参加作家:
安藤智
石原多見子
いわたまいこ
nishimokko
ハヤシミワコ
ヒグチユウコ
山本彌

ex_shape2016-2[1]

DM画像は上から、山本彌、ハヤシミワコ、石原多見子、ヒグチユウコ、noshimokko、安藤智、いわたまいこ

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プロフィール

もとしたいづみ

Author:もとしたいづみ
絵本・童話作家やってます。
エッセイ集『レモンパイはメレンゲの彼方へ』(集英社)
幼年童話『うめちゃんとたらこちゃん』絵・田中六大(講談社)
絵本『せつぶんセブン』絵・ふくだいわお(世界文化社)など

ツイッターは
もとしたいづみ
(@motoshita123)

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