もとしたいづみ は どうした!

作家もとしたいづみ の 働きっぷり

西武新宿線

この間、電車を降りようとしたとき
座っている人のひとりが、
今どきの言い方をするなれば
めっちゃ見てる。あ、やっぱり変だな。
でも凝視というのでもなく「気づいて!」
という波動を送っていたのだ。
そのくりくりした大きな目の人は
会社員時代の1年後輩の多栄子ちゃん!
30年ぶり? あ、お互いの子どもが小さい頃
うちに遊びに来てくれて、ビニールプールに子どもたちを入れ
お喋りしたのは何年前? 17年ぐらい前か?

彼女は変わってないのですぐにわかったけど
どうして私がわかったんだろう?
きっとじいいいっと見ていたんだろうなあ。
「ものすごく怖い顔だから、迷ったんですけど
やっぱりそうだなって思って・・・」
とは言わなかったけど
「お元気そうで・・」
と、彼女は言った。
二度も言った。

そんなに元気そう? と思い、
別れてから気づいた。

私は普段、腕を上げることがなく、腋下のリンパの流れもよくしたいので
電車で立っているとき、あまり混んでいなければ
(かといって空いているときは目立つので出来ないが)
重い荷物を下に置き、立っている位置より後ろの吊革につかまる。
というか、ちょうどよく脇が伸びる位置を見つけて
そこに立ち、逆手にしたり、横に広げたりしながら
そう、要するに電車の中をトレーニング室にしているおばさん・・・。
確かに元気そうだ。
また別の意味で怖いかもしれない。
顔とダブルで怖さ倍増。あ、ダブルも倍増も同じだ。

西武新宿線でそんなおばさんを見たら
私です。

西武バス!

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パソコンの横で誘惑するニコ。

さっきバスの停留所で、前に並んでいた男性の次に乗ろうと
足を持ち上げんとした瞬間、目の前のドアが閉まったので驚いた。
バスの運転手によくいる、走ってきたおばさんは断固として乗せない、
目の前でドアを閉めてやる的な、閉めると同時に走り出すような
そんな感じではなく、閉めたままバスは止まっているのだよ。
あまりのことに茫然とドアの前に佇む私。
え? え? どゆこと?

しばらくしてバスは走り去った。
おい!!

いやいや、よくこんな怖い顔のおばさんに
そんな仕打ちが出来たものだ。
いい根性してんじゃねえか。
と思いかけて、いや、怖い顔だから乗せなかったのか?
それにしたって、あれ、手や足を挟まれていたっておかしくないし
危険なことじゃあないのかね。
と、次のバスを待つ間、どんどん怖い顔度が増した
と思う。

ようやくやって来た次のバスの中では
さっきの状況を反芻し、一体どういうことだろう?
どんな仕打ちをしてやろう? 
憎っき西武バスめ!! と
般若のような顔のおばさんをバスの中で見た
という方。それは私です。

でもバスを降りて歩いていると
前をとことこ歩く2歳くらいの女の子が
かわいくて見ていたら、かわいい!! オーラを感じたか
その子がくるっと振り返って、にっこり笑い
またそのはにかんだ顔がかわいくて
もうそんなバスの運転手馬鹿野郎のことなど吹き飛んだのだった。

六代 桂文枝

元三枝の襲名披露公演が、その「12日の午後」。
口上は、まるで大勢の漫才のようで
司会(!)が、あまりの変わらなさにびっくりの桂きん枝。
そしてしょっちゅう頭を上げ、ツッコミを入れたりする主役の元三枝に
小朝、鶴瓶、昇汰、談春、文珍。
面白くないはずはないというメンバー。

落語を聴きに国立劇場へは来るが
大抵は演芸場の方なので、
普段、歌舞伎をやっていたりする横長の大劇場で落語の聴くのは、
ちょっと不思議な感じがした。

ここへ来る前、近所に妹の務める会社があることを思い出し
昼休みの妹を呼び出した。
会社員ってのはなんであの、首から下げるの、
あれをつけたまま外に出るんでしょうねえ?

そんな妹と待ち合わせして、近所のイタリアンへ。
開店前に入ってしまったこともあり、
誰もいない店内、私たちの席に来てはスタッフが元気よく
「ぼんじょ~るるるの!」とものすごく大きな声で挨拶する。
話している私たちは会話を中断し
「あ、ボンジョルノ!」
「ボンジョルノ!」
と、返す。

またもやにこやかにやってくるイタリア人と思しき店員。
「ボンジョ~ルノ!」
「それでね・・・ボンジョルノ」
「え、ボンジョルノ」
どんどんやってくる店員。
「ボンジョ~~~ルノ~~!」
「会社の人がね、あ、ボンジョルノ」
「うん。ボンジョルノ」
急ぎ足に通り過ぎるスタッフ、いちいち挨拶。
っていうか、どんだけ多いんじゃい! 店員。
「なんか・・・恥ずかしいよね」
「うん」
と言っていると
開店時間となり、続々と入店するお客。
さすが人気店だ、と思っていたら
「ボンジョールノ~~~!」と声はかけるが
それはおそらく「いらっしゃいませ」の意らしく
それに応える客はいない。
ひとりもいない。

いちいち、ニコニコとぼんじょるの言ってた私達姉妹は
なんだかものすごくマヌケだった。
生涯で、あれほど「ボンジョルノ」を連呼したのは
最初で最後だと思う。

12日 午後

「明日」というタイトルのメールが来た。
謎の「12日 午後」とは明日のことだ。

さっぱり思い出せないので
何かの間違いで記入しただけ
で、済ます気になっていたのだが
おーそうでしたそうでした。

時間や待ち合わせ場所が決まっていなかったので
手帳に記入していなかったのだったよ。
12日の午後は、国立劇場に行く、が正解でした。
(自分のボケを棚に上げてクイズの司会者になっているぞ)
他の予定を入れかけたが、踏みとどまって良かった。
自分としては仕事じゃなかったのがせめてもの救いだ。

「ご連絡、遅くなりスミマセン!」と書いてあったが
こちらこそ忘れていてスミマセン!
そして「わかりましたか?」とご心配下さった方々にも
ありがとう、スミマセンでした。

12(水)午後

ここで呼びかけるのも失礼な話だが
最後の手段である。というか、他に思いつかない。

土曜日、カレンダーを見たら、今週の水曜日の欄に
私が書きこんだ「午後」という文字があった。
いつも「夕方~」とか「夜」とか、家族に影響のある外出を
そこに書きこんでいるのだけど・・・、はて? なんだっけ?
と、自分の手帳を見たら、空欄だ。
ひえ~。なんだっけ? 
なんとなく「水曜日か」と思った記憶はかすかにある。
次の週と間違えたのかな? と思うが、次の週には
カレンダーにも手帳にもしっかり書いてある。
はたまた翌月と勘違いしたのか? と思ったが
思い当たるものはない。

みなさん。
私は水曜日の午後、どこへ行けばいいのでしょうか?

12日の水曜日の午後、私と約束している方がいたら
すみませんがご連絡ください。

前にもこんなことがあったような気がするが思い出せない。
いろいろと記憶がぼんやりかすんできているのかもしれない。

シロクマ

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ワンダーブック10月号が届きました。
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この中の<おはなし>のページ「しろくまピース」
を書いております。
絵は柿田ゆかりさん。
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愛媛のとべ動物園へ取材に行ければよかったが
本やネット、DVDを見て、泣いたりしながら書いた。
動物園の動物の育児放棄、動物もネグレクトというのだろうか
は多いが、NHK制作のDVDは、動物園という管理社会の中で
飼育員がどんなふうにやっていくかを隠れテーマにして描いている。
写真の飼育員、高市さんは育ての親なので、
ピースは大きくなっても高市さんの姿を見ると飛んでいく。
スキンシップを動物園側から禁じられ、ストレスから病気になってしまったピース。

そんな話を、この間、あべ弘士さんにしたのだった。
「シロクマ? え。それは、絵本?」
「うーん、絵本といっても雑誌の5見開きで
感動秘話にするって仕事。とべ動物園のしろくまピースです」
「ああ、シロクマ!」
まだ酔ってはいなかったとは思うのだけど
やけにシロクマに反応していたなとは思ったのだ。

そんなあべさんが、素晴らしい本を出した。
こんちき号北極探検記 ホッキョクグマを求めて3000キロこんちき号北極探検記 ホッキョクグマを求めて3000キロ
(2012/07/27)
あべ 弘士

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もう、表紙だけで面白そうな臭いがぷんぷんしていて
わあ、どうしよう? とわくわくしながら
中をちらっちらっと見ると、
確実に面白い。
覚悟を決め、居住まい正して読み始めたら
ちょっとこれは大変ですよ。
面白いなんてもんじゃない。すごいです。この本。
100%あべ弘士な本。
こういう本ってジャンルはどこになるんだろう?
紀行文でもあり、動物のコーナーにだって入るだろうし
児童書、エッセイ、美術書・・・いろんなところに当てはまる。
隅から隅まで面白い久々大ヒットの本でした。

マリオネットからブルドッグ

西荻窪は、歩いていると
必ず知り合いに会う町である。

今日もすぐにバッタリ。
だけど先方はかなり油断しているようなので
声をかけるのがはばかれて
昨日偶然新聞で見た顔とも
随分違うようなので、ちらっちらっと見ながら通り過ぎ、
振り返ってしげしげと眺め
本人だけど、随分感じが変わったなあ。
四十肩だと聞いたけど、辛そうな歩き方だわ
と思うと同時に、
そうだよ! 写真なんかより
ひとりで歩いているときの方がよっぽど気を抜いているぞ
と気が付いた。

法令線→マリオネットライン→ブルドッグライン

なんだそうだ。
響きだけは迫力を増してカッコいいようだけど
恐ろしい。

その後、久々にどんぐり舎に入り、
仕事をしようと筆入れを出したら
ピンポイントギャラリーに忘れたと思っていたペンが
ありました。すみません。

樋上公実子 個展

昨日9月3日から
樋上公実子さんの個展が始まった。
表参道で編集者と薬膳ランチをして
いざ、初日のピンポイントギャラリーへ。
HIGAMIdm[1]
しょっちゅう展覧会な印象の樋上さんだけど
描きおろしの個展は久しぶり。
樋上さんの渾身の美女たち(って、変か?)と
本物の美女たちに囲まれて
うっとりしつつも、ある作品の乳首の方向を指摘し
開口一番それかよ的な空気に包まれる。
「やはりもとしたさん、目の付け所が違うわねえ」と
ブログには決して名前を出すなと用心深い
オーナーのSさんが言う。
「え! みんなそう思ったよね?」
と言うと、誰も気づかなかったとしらばっくれる。

美女も素晴らしいが、動物も異様にかわいくて
樋上公実子動物辞典を出してはどうかと思った。

『チョコレータひめ』も積んでくれているので
サインもしに参りました。
あ、ペンを置いて来てしまった!
チョコレータひめチョコレータひめ
(2008/10)
もとした いづみ・作
樋上公実子・絵

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絵、もとしたいづみ

朗読で聞き慣れている、あるいは言い馴れている
「もとしたいづみ 作」
「文・もとしたいづみ」
または
「訳、もとしたいづみ」
だけれど、
今日、送られてきた静岡ラジオの番組の録音。

ねえ、おきてる?ねえ、おきてる?
(2011/10)
ソフィー ブラックオール作
もとしたいづみ訳

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この本を男性アナウンサーが朗読しているのだが

「もとしたいづみ、絵」

え?
前後合わせて2回。

海外の人が文で、日本人が絵
という絵本はあんまりないと思うし
じゃあ、朗読している文章は
誰が訳したものなんだろう?
なんて、普通は思わないか・・・。

事前に担当さんからその旨、連絡があり、
訂正しておきますとご丁寧な内容ではあったけど
ラジオやテレビにはよくあることだし
もう放送されちゃったんだろうしねえ。

絵かあ・・・。
絵、描いてみようかなあ? と思った。

うそだけど。

ホテイ草の花

再び同い年の女たちで写真を撮る機会があった。
神明中学の同級女子たちが、同級生の村田シェフの店に集い、
吉祥寺ナナカマドのリニューアルを祝ったというより
大騒ぎして、サービスしていただき、ごめんだった! 村田くん。

で、写真である。
こわくならないように気をつけた。
結局、己の内側にある鬼が表面に出てしまうわけなので
なるべく心の内が出ないように
気配を消して微笑みすぎず
かといってくれぐれも睨み付けないようにしていた。
加齢臭のように滲み出てしまう迫力を
できるだけ出さないように努力した。

さっそくアップしてくれた
荻窪の老舗蕎麦屋の女将、ヒバリの写真を見ると・・・
まるで死んでいるような私。
ひとりだけ死んでいる・・・。
また別の意味でとても怖い写真だ。

気配を消しすぎたのか?
まるで人形だ。
もちろんフランス人形でも博多人形でもなく
腹話術の人形のような感じ。
腹話術の老婆の人形。
は!!
それはホウレイ線が深いってことか?

ホウレイ線が見えないように、ほっぺを膨らますとか
顔じゅう、くしゃくしゃにして
いっそホウレイ線も眉間の皺も
多すぎる皺のひとつとしてしまえばいいのだろうか?


写真はベランダのホテイ草の花。
咲いたと思ったら、翌日には萎んでいた。
どうやらそういう花らしい。
大抵あるので、毎夏、このきれいな花を
見逃していたのかもしれない。

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プロフィール

もとしたいづみ

Author:もとしたいづみ
絵本・童話作家やってます。
エッセイ集『レモンパイはメレンゲの彼方へ』(集英社)
幼年童話『うめちゃんとたらこちゃん』絵・田中六大(講談社)
絵本『せつぶんセブン』絵・ふくだいわお(世界文化社)など

ツイッターは
もとしたいづみ
(@motoshita123)

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